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Wed, 17 Jun 2009

社会知デザイン

西田豊明先生(京都大学),角康之先生(京都大学)との共著で執筆させていただいた「知の科学 社会知デザイン」(オーム社)が刊行されました.「社会知」は聞き慣れない言葉かもしれませんが,

「本書では,社会知を“行動主体が他者との社会的な関係を構築し,利用することによって種々の問題を解決する能力,および集団として経験から学び問題を解決する能力”として定義する.(本書1章, p.2)

にあるように人間社会における共同知を意味しています.2001年から開催されている SID (Social Intelligence Design) 国際ワークショップは既に第8回目を迎え,ここで発表された数々の研究成果は本書の土台となっています.次回のSID2009(2009年11月9日〜11日)は京都で開催されますので,ご興味のある方はぜひご参加ください.(論文投稿の〆切も 6/19 なので,がんばればまだ間に合います!)

本書は,社会知を強化するための計測・分析手法を「社会知デザイン」という視点からまとめるために,社会知をミクロレベル,メゾレベル,マクロレベルに分けたうえで,それぞれについて総論,アナリシス,シンセシスについて述べるという構成になっております.目次を以下に載せておきます.松村は主に6章と9章を担当しました.

社会知デザインという新しい研究領域にご興味のある方は,ぜひお手にとってお確かめください.

1章 社会知デザインへのアプローチ
2章 ミクロレベルの社会知(総論):コミュニケーションの中の素早いインタラクション
3章 ミクロレベルの社会知(アナリシス):非言語インタラクションの分析
4章 ミクロレベルの社会知(シンセシス):社会的エージェントの構成
5章 メゾレベルの社会知(総論):グループ内のコラボレーションの理解とデザインの方法論
6章 メゾレベルの社会知(アナリシス):グループのダイナミズムの分析
7章 メゾレベルの社会知(シンセシス):グループ内の知識循環の支援サービスのデザイン
8章 マクロレベルの社会知(総論):コミュニティの理解と支援の方法論
9章 マクロレベルの社会知(アナリシス):コミュニティの探索と分析
10章 マクロレベルの社会知(シンセシス):コミュニティサービス機能のデザイン
11章 まとめと展望

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