Fri, 08 Jul 2005
第1回輪読会(AIDs #1, Academic Interdisciplinary Discussionsの略)を開催。今回僕が担当した論文はこれ。
Team Assembly Mechanisms Determine Collaboration Network Structure and Team Performance,SCIENCE 308(29), 697--702, 29 APRIL 2005.
【はじめに】
・コラボレーターが増えると知識やアイデアの多様性が増すのでクリエイティブな仕事を達成しやすくなるが、増えすぎると衝突やミスコミュニケーションが起こる
・クリエイティブな仕事をするための最適な人数、人員構成があるはず
・1877-1990の間にブロードウェイで上演されたBroadway musical show(BMI)のスタッフチームの人数を調べてみると、1877年は2人だったのか1929年以降はずっと7人だった
・Social psychology, Economics, Ecology, Astronomyの分野で1955-2004に出版されたIFの高いジャーナル論文の共著者数を調べると右肩上がりだった
【コラボレーション・ネットワーク生成モデル】
・コラボレーション・ネットワークの生成メカニズムを、チームサイズm、コラボレーション・ネットワークでのつながりのある人から選ぶ確率p、これまでコラボレーションしたことのある人の中から選ぶ確率qでモデル化
・コラボレーション・ネットワーク全体に占めるlargest cluster of networkの割合S
【実験1】
・上記のBMI, Social psychology, Economics, Ecology, Astronomyのデータからp, qを推測
・チームサイズを上記データとそろえた条件で、推測されたp, qを用いてコラボレーション・ネットワークを生成すると、ほぼ再現できる
・pを増やしていけばmに関わらずSにphase transition(tipping point)が起こる
【実験2】
・p, q, Sと論文のIF(インパクトファクター)との関係をSpearmanの順位相関係数で調べると、Social psychology, Economics, Ecologyでは有意な相関が見られた
・つまり、pは大きいほど(コラボレーション・ネットワークでつながった人をチームに加えるほど)、qは小さいほど(これまで共同研究をしたことのない人をチームに加えるほど)、Sが大きいほど(研究者同士がつながっているほど)チームはクリエイティブになり、IFの高い論文を生産できる
【感想】
シンプルなネットワーク生成モデルに基づいて、ここまで議論を展開しているところに面白さを感じる。共著ネットワークは最近よく研究対象になっているけど、リンクを張る条件をpとqに分けてるところがポイント。時代の変化を考慮していないとか、IFの高い論文を書いた人のところに優秀な人が集まるのではないかとか、他の要因もいろいろ考えることはできるけど、余計なことには一切触れずに、ひたすら主張を展開して突き進んでいくことが大事なのだろう。
matumura, 2005/07/08 19:25
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選ばれているジャンルがジャンルだけに,有為な(+余計な)議論もできそうでしたねえ.残念! 次回以降は是非よろしくお願いします.
asarin, 2005/07/09 05:32
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第1回、第2回はasarinさんの都合のつかない日になってしまいましたが、第3回以降はぜひぜひご一緒しましょう!
matumura, 2005/07/09 09:52
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そうか次は15日かー.
合宿さえなければ補講しなくてすんだのにー.
うがー.
あさ, 2005/07/09 12:31
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あっ、これ読んだ、読んだ。フッ、まだまだだな。
うどん, 2005/07/09 18:55
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ふぉっふぉっふぉっ、いつまでついて来れるかな?
matumura, 2005/07/10 00:00
4月25日に書きあがってた「Y!論文」をやっと投稿。ずっと投稿するの忘れてた。。。
matumura, 2005/07/08 19:16