仕掛学

仕掛学は、人の行動を変える「仕掛け」を対象にした新しい学問分野です。仕掛けは、魅力的な行動の選択肢を増やすことで自覚的な行動変容を促すことを狙います。仕掛けによって、世の中のさまざまな問題を自ら進んで解決するようになる社会の実現を目指しています。

仕掛けは、誰にも不利益をもたらさない「公平性」、ついしたくなる「誘引性」、本来の目的とは別の目的からなる「目的の二重性」を満たすものと定義しています(FAD要件と呼んでいます)。仕掛けによって、世の中のさまざまな問題を自ら進んで解決するようになる社会の実現を目指しています。

例えば、ゴミ箱をただ設置してもゴミを捨てたくはなりませんが、ゴミ箱の上にバスケットゴールを付けるとゴミでシュートしたくなり、ゴミ箱の利用が促進されます。また、手指消毒器を真実の口のようなオブジェの口の中に入れると手を入れたくなるので、手指消毒が促進されます。

シカケラボでは、さまざまな現場を対象にして実際に仕掛けを考案して製作し、実際の現場で実験し、効果の検証に取り組くことを通して、仕掛学の理論と方法の構築に取り組んでいます。

研究成果は主に仕掛学研究会で発表しています。

ロゴマークの意味

仕掛学のロゴマークのキャラクターは普段は笑顔ですが、マウスカーソルを合わせると上下逆さまに回転して泣き顔になります。同じ対象でも見る角度を変えると全く違った一面が見えてくるところがFAD要件の目的の二重性を表わしています。なお、目は天王寺動物園にあった筒の仕掛け、鼻はファイルボックスの背表紙の斜線の仕掛けがモチーフになっています。

よくある質問

Q.「仕掛け学」ですか?
A.違います。「仕掛学」です。

Q.「仕掛け」と「ナッジ」は同じですか?
A.違います。違いを以下にまとめました。

仕掛け ナッジ
  • 人の遊び心を利用する
  • 自覚的な行動変容を促す
  • ホモ・ルーデンスを対象にする
  • リバタリアン・オルタナティビズム
  • パレート最適は関係ない
  • 特定の研究分野には属していない
  • 手洗い促進の仕掛けの例:真実の口の中に消毒器を入れる
  • 人の系統的なバイアスを利用する
  • 無自覚的な行動変容を促す
  • ヒューマンを対象にする
  • リバタリアン・パターナリズム
  • パレート最適である
  • 行動経済学の一分野
  • 手洗い促進のナッジの例:消毒器に向かう矢印を描く
  • Q.どの学会で発表していますか?
    A.主に仕掛学研究会で発表しています。

    発表文献

    Mゼミのページにまとめています。

    書籍

    仕掛学に関する書籍は日本語以外にも、英語、中国語簡体字、中国語繁体字、韓国語でも出版されています。

    ロゴマークとロゴタイプ